≪情報社会の脅威≫
情報社会の最大の脅威は、消費者による情報発信と、消費者どうしの情報共有です!
今や企業が発信する情報よりも、消費者から発信される情報が圧倒的に多く、
”企業が把握できていない情報も消費者間で共有されている”このような状況が起こっています。「情報のイニシアチブは消費者が握っている」、だから風評が一瞬にして起こり広がり大きな風評被害となるのです。
また、消費者は、”企業から発信される情報よりも、消費者から発信される情報を信頼する” 風潮があります。
なぜこのような風潮が起こったのでしょうか.........
皆さん、商品購入時に ”インターネットの消費者評価” を見ませんか?
私は必ずと言っていいほど見ています、それはなぜたと思います...........
それは、”企業は不都合な情報を公開していない”と思っているからです。
インターネットの普及により市場にリリースされた情報は社会全体に瞬時に伝わり長期間とどまる特徴があり(情報の瞬時性と持続性)、 ポジティブな情報は企業にとって有益に働く反面、 ネガティブな情報は企業の存続にまで影響を与えることがあります。
ネガティブな情報はレピュテーションの低下を招き、消費者の信頼を無くし、事業に欠かせない資源(資金・人材・販路・パートナー)まで失ってしまったことは少なくありません。
このような事態を避けるには、ネガティブ(リスク)事案の「未然防止」や、発現時の「適切な判断」と「誠実な対応」が重要となります。
≪消費者行政と消費者意識の変化≫
変化に対応することができた会社が生き残れるのです!
国の消費者行政は、規制緩和により事前規制から事後罰則(原則自由)に変更したことと、消費者に不利益を強いる企業の情報を社会に公表し、 “叱責や批判” による市場排除の原理 (消費者が主体)に移行させました。
いっぽう消費者は「安全・安心」や「被害の救済」と「情報開示の要求」などの権利意識が高まっており、社会的責任が果たせない場合は事業持続の大きな障害となります。
この社会状況下で事業を持続させるには、経営革新に加えリスクマネジメント能力を向上させ、『透明性の高い経営』を消費者やステークホルダーが求めていることを意識して経営に取り組むこと必要です。
≪コーポレートガバナンス・コード≫ 東京証券取引所 施行
この仕組みは株式一部上場企業が、株主・投資家・顧客・従業員・地域社会などの立場を踏まえ、「透明で公正かつ迅速に」果断な意思決定を行うことを目的としたものです。
コーポレートガバナンス・コードは
[1] 5つの「基本原則」
・株主の権利平等性の確保
・株主以外のステークホルダーとの適切な協同
・適切な情報開示と透明性の確保
・取締役会の責務
・株主との対話
[2] 基本原則の内容の詳細を規定した30の「原則」
[3] 原則の意味を明確にするための38の「補充原則」
からなりたっています。
詳細は、JPX(株式会社東京証券取引所)から案内されています、
コーポレートガバナンス・コードは [こちら] からご覧ください。JPXのレポート(PDF)にリンクさせています。
このコードの中に企業にとって厄介な存在である「コンプライ・オア・エクスプレイン」があります。
これは、原則を実施 ”する” か ”しない” か企業は選択できるのですが、実施しないを選択した場合、「実施しない説明」が義務付けられています。
この説明はとても厄介です「透明性のある経営」を否定するようなものだからです。
(私は説明するより、実施する方がリスクが小さいと思えます)
このコードに該当する貴社は、どちらを選択されたのでしょうか。
≪消費者裁判手続特例法≫ 2016年10月1日 施行
この特例法は、今後の消費者行政を大きく変えることになります。
商品を購入して頂いたお客様から集団訴訟を受けることになります。
社会と消費者が見守る中で、自社の大勢の顧客と面と向かった裁判で戦えますか!
これが特例法の本質です。
『集団的消費者被害回復の訴訟制度』の実効性を担保するために制定された特別法で、被害を受けた消費者にかわり「特定適格消費者団体」が当該事業者を提訴(訴訟)することが出来るようになりました。
現在、消費者が自ら被害の回復を図るには困難を伴います。それは消費者と事業者の間にある「情報の質及び量」と「交渉力」「経済力」の大きな格差です。この格差を埋めるための役割を特定適格消費者団体が行なうことになります。
そのため今までは ”被害が少額” や ”手続きの手間” などから、訴訟をあきらめていた被害者がこの制度(被害者の一括救済)に多数参加するはずです。
※アメリカのクラスアクションに似た制度です。
そうなれば消費者の被害回復に伴う費用は高額になります。また当該事案の被害者に参加を求めるために広告を行ないます、このことで当該企業名が大きく公表されレピュテーション(信用・信頼)にも悪影響を与えます。
行政の狙いは、企業にとって「高額な費用」と「レピュテーションへの悪影響」が起こることで、企業に自主的な消費者被害回復行動を行うようにさせる。これがこの制度の狙いです。
この制度の適用を受けないためには『事案の未然防止』を行うか『事案発現時に適切な対処』を行なうしかありません。苦情の入った被害者だけに対応し、他の被害者には何も行わない ”悪しき考えを改めさせる” 法制度とも言えます。
当初は「悪徳事業者」を対象としたものでしたが相次ぐ消費者被害をうけ、適切な消費者への対処を行わない企業(事業者)に拡大すると言われています。
※2013年に多発したメニュー表示の「虚偽表示(優良誤認)」も対象となる可能性があります。
*制度の内容をご覧になりたい方は、消費者庁 消費者制度に掲載されています。
「 消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律 」で検索ください。
(制度の概要、要領、法律内容... などが確認できます)
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